令和4年11月11日に開催された「第8回 全世代型社会保障構築会議」の資料が公表されました。 |
今回の会議では、全世代型社会保障の構築について、ヒアリングなどが行われました。 |
その中で全世代型社会保障構築に向けての基本的考え方について以下のように述べられています。 |
整合的な社会保障制度の全体像を示す際に大切なのは「全世代型」という基本理念です。これは |
「国民は年齢に関わりなくその負担能力に応じて負担をし、かつ必要に応じて給付をうける」 |
「それはまた年齢に関わりなく社会保障制度を含む経済社会 の支え手を増やし、かつ年齢に |
に関わらずその必要とする給付や支援を充実していくこと」であると。 |
社会保障制度の支え手を増やし、給付や支援を充実という観点から、令和4年(2022年)10月 |
から従業員数101人以上501人以下の企業についても一部のパートやアルバイトの方の社会保険 |
の加入が義務化されました。令和6年(2024年)10月からは従業員数51人以上の事業所において |
も同様に社会保険の加入が義務化されていきます。 |
そして、先日日本経済新聞で、企業の規模要件を撤廃することを政府が検討にという記事を読み |
ました。 |
社会保険適用拡大 特設サイト|厚生労働省 (mhlw.go.jp) |
とここまでは、もう皆さんご承知かと思います。 |
先日とある社会保険一般に関する無料相談会に参加をさせていただきました。 |
私が相談を受けた案件の4分の3以上がこの社会保険加入拡大に関するパート労働者の方からの |
ご相談でした。「扶養から抜けてしまうとご主人の給与の家族手当が外れてしまうので、できれば |
扶養の範囲内で働きたい。」「育児・介護などもあって正社員の方ほど労働時間を増やすことが |
難しい。」「適用拡大で手取りの金額を減らしたくない。」というご意見をたくさんいただきました。 |
社会保険労務士という立場から社会保険適用から受けることのできる給付や将来の受け取ることの |
できる年金などのお話をさせていただきましたが、それを聞いていただいたうえで、物価上昇による |
家計の状況などを考えると今のままの手取りがというご感想をいただきました。 |
我が家にも現在大学3年生とこれから進学する高校3年生の子供がおり、当面の学費に負われるなあ |
というプレッシャーを感じます。将来の社会保障は大切だという気持ちはありつつ、目の前の生活と |
いうことを日々感じながら仕事をしております。 |
「全世代型社会保障の構築」の重要性に貢献できるよう日々精進していきたいなと思います。 |
パート労働者さんが安心して社会保険の適用を受けることができるようにするには・・・ |
*例えば、会社の賃金規則の家族手当は、健康保険の被扶養者でなくとも家族手当を付与できないか |
提案してみる。 |
*フレックスタイム制などを活用してその方にあった雇用契約を再度検討してみる。 |
などを提案していくのも、社会保険労務士ができることのひとつなのかなと思った私であります。 |
いずれにしても「社会保険の適用拡大」は、将来の社会保障構築からみていく視点と、日々の家計を |
やりくしながら目の前の生活を設計してくという視点と両方から見ていく必要があるなと思います。 |
全世代型社会保障構築会議(第8回)議事次第|内閣官房ホームページ (cas.go.jp) |